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インスリンによって
血液中のブドウ糖が
どんどん細胞に流入すると
余ったブドウ糖が脂肪になり
細胞の中が脂肪だらけ
になってしまうからです。
こんにちは。漢方薬局の後藤です。
前回はインスリン抵抗性に関係する
もう一つの要因として
遊離脂肪酸があるというお話をしました。
では今回具体的に遊離脂肪酸が
インスリン抵抗性と
どう関係するのかについて
そのメカニズムをお話ししたいと思います。
まず、インスリン抵抗性の
意味についてですが
脂肪細胞に中性脂肪が
たくさん蓄積した時
それ以上蓄積しないように
インスリンの反応性を低下させ
細胞内でのブドウ糖取り込みを
抑制する生理的な防御反応
という側面があります。
ブドウ糖は細胞の中で余れば
中性脂肪になるからです。
では脂肪からインスリン抵抗性への
メカニズムですが、
高脂肪食を食べ続け
内臓脂肪がたくさん蓄積すると
血液中に脂肪から分解された
遊離脂肪酸が大量に放出されます。
この遊離脂肪酸はどこへ行くのかというと
肝臓、筋肉、インスリンを分泌する細胞である
膵臓β細胞など脂肪組織以外の組織
(本来中性脂肪を蓄積しない細胞)に
過剰に流入します
これが脂肪肝などの原因でもあります。
本来中性脂肪を蓄積しない細胞に中性脂肪
が蓄積してしまうと、その細胞が
私たちの生命活動で担っている働きが
出来なくなってしまいます。
これを防ぐために
主に二つの反応が起こります。
①インスリン抵抗性
→これ以上細胞に中性脂肪が増えないように
防御反応が働きインスリンによるブドウ糖
取り込みを抑制する。
②インスリン分泌低下
→インスリンを分泌する膵臓β細胞が
遊離脂肪酸の流入により
アポトーシス(自死)することにより、
インスリン分泌が少なくなる
この二つの反応を脂肪毒性と言います。
脂肪によって細胞が壊れたり
血糖がコントロールできなくなる現象です。
インスリン抵抗性を改善するには
糖質摂取より脂質摂取を控え
摂取カロリーを制限するのが
正道と思われるという意見もあります。
では次回はインスリン抵抗性から
糖尿病に至るメカニズムについて
お話ししたいと思います。